最近、全く映画についてのレビューを書いていませんでした。
もう2ヶ月何も観ていなかったんですね。
(自分がどんな感じで書いていたかさえ、忘れています。)
というわけで、今日は久々の映画レビューです。
今日採り上げるのは、トムクルーズ主演の『コラテラル』です。
では、いってみよう!
コラテラル ★★☆☆☆
監督:マイケル・マン
出演:トム・クルーズ/ジェイミー・フォックス
ストーリー
自分たちが起訴されることを知った麻薬組織は、重要な証人達を殺害するために、プロの殺し屋ヴィンセント(トム・クルーズ)を雇う。単身でロサンゼルスの空港に降り立ったヴィンセントは、わずか一晩のうちに5人を殺す指令を受けていた。
ヴィンセントが拾ったタクシーを運転していたのは、将来リムジンサービスをしたいと考えながらも、踏ん切りがつかずに平凡な日々を送ってきた男、マックス(ジェイミー・フォックス)。ヴィンセントは、マックスを人質にとりながら、冷徹に殺害計画を実行していく。最初のうちはヴィンセントの言われるがままに従うしかないマックスだったが、本当の自分自身を取り戻し、反撃を開始する。それにより、ヴィンセントの綿密な行動に、わずかな狂いが生じ始める。
警察やFBIがマックスのタクシーを追いかける中、はからずも、生き残るためにはお互いを必要とする関係となったふたりの男が、しだいに夜明けが近づくロサンゼルスの街で、それぞれの人生を永遠に変えてしまうクライマックスへ向かって、ノンストップで疾走していく…。
レビュー
まずは、このタイトル『コラテラル』ですが、
【間違った時に、間違った場所に偶然居合わせてしまうこと=巻きぞえ】
という意味のようです。つまり、不運にも殺し屋を乗せることになったタクシー運転者がコラテラルということになるわけですが、本当のところはどうなんでしょう?
結果的には、マックスの車を選んでしまったヴィンセントこそがコラテラルということなのかも…。
この映画、何だか雰囲気が違うんですねぇ。何だろうなと、ずーっと悩んだんですけどたぶん全編通して〝夜の街〟という部分なんだろうと思います。しかも、すごーく綺麗で印象的に撮っている。調べてみたら、ナンチャラカンチャラという(よく分からないので)特殊な技術をデジカメに搭載して撮影しているそうです。
僕には、その特殊な技術がどれだけスゴイのかわかりませんが、夜の街の光と闇、斜がかかったようなグレーな映像は興味深かったです。
でもねぇ、映像美やスタイリッシュな音響には納得なんですけど、どうも腑に落ちないところも多い。
確かに、トム・クルーズの悪役は斬新です。
〝冷静沈着で完璧な殺し屋〟はわかるんですけど、殺し屋ってことは社会から堕落したり、社会に対して反感を持っていたりするから、非道徳的な行動をするんだと思うんです。そういうヴィンセントの心の葛藤や社会に対する不満の部分を、もっと丁寧に描くべきだと思うんです。マックスの方はわりと内面描写がしっかりとされていたので、この2者の差が不満の1つ。
それから、コヨーテが横切りヴィンセントの心に変化が現れたであろうシーン。
僕としては、『え?それだけで?』って感じ。じゃあ、何で完璧な殺し屋なの?
そして、ラストも。完璧な殺し屋なら、ああいうラストにならんやろ。そういうラストにしたいなら、その裏にある理由の部分をもっと描け、と思うわけです。
う~ん…。映像や音響、配役も面白かっただけに、
単なるアクションでなく、登場人物の内面描写や映画としてのテーゼをもっと感じたかったな。
というわけで、今回の星は2つです。
あー、久しぶりに映画レビューやったら肩凝ったわ。